ひきわり納豆
19 日くらいから体調を崩してしばらく家で寝込んでいた。家に体温計がないので確かなことはわからないが発熱があったのは4日間ほどで、そのあとは頭痛と咳と鼻水がだらだらと続いていた。ようやくこうして日記を書くまでに回復したわけだが、今朝またやらかしてしまった。
朝食にと冷蔵庫から取り出したひきわり納豆のパックには「賞味期限 11/23」の文字。つまりすでに 4 日ほど期限を過ぎているわけだが、私には日付の感覚というものが失われていた。腕時計は少し前に壊れてしまったし、目覚まし時計には日付が表示されない。家には使えるスマホやパソコンは置いていないので、今日が何日かを確認する手段を私は持たなかった。ただ、今日がすでに 11 月の最終週だとはとても思えなくて、(もしかするとそれは体調不良で失った時間の長さを認めたくなかったのかもしれないが)私は当然のように納豆を口に含んだ。
納豆というのはたとえ期限が切れていなくても、鮮度が落ちると表面に小さなつぶつぶができて食感を大きく損なうものだが、今朝のそれは明らかに期限を過ぎているとわかるザラザラとした食感があった。嚥下の直後、朝のまどろみの中にいる私の鼻を強烈な刺激が襲う。ナイアガラの滝の傍のレストランで、かぼちゃスープと間違えてマスタードを飲んだとき以来の強烈さだった。
私はそこで今日がすでに 23 日よりあとの日付であるという可能性について真剣に検討を始めたわけだが、真実を確認できたのは 30 分かけて自習室についてからだった。
